こんにちは。SEA SIDE.代表のとしです。
前回は「win-winの考え方」について、店舗での経験からお話ししました。今回は、本部での経験から学んだ「まず理解し、理解される」という考え方について、具体的な実践方法をお伝えします。
■ 部門間コミュニケーションの課題に気づいていますか?
「企画の意図が現場に伝わらない」
「他部門の制約が理解できない」
「部門間の連携がスムーズでない」
このような悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。実は、これらの問題の多くは、「自分の部門の論理」を押し付けることで起こっています。
■ 商品企画での経験
本部で商品の企画、生産、物流、販売の全体計画を担当していた時、期限に追われるあまり、各部門の声に十分耳を傾けることができませんでした。結果として:
- 部門間の協力関係の悪化
- 全体最適化の失敗
- プロジェクトの遅延
という状況に陥ってしまいました。
■ 相互理解の本質
1. なぜ「まず理解する」のか
多くの場合、私たちは以下のような思考パターンに陥りがちです:
- 自部門の都合を優先したい
- 他部門の制約を軽視する
- 表面的な数字だけで判断する
2. 真の理解のための3つの要素
- 業務プロセスの理解
- 各部門の業務フローを把握
- 制約条件を正確に理解
- 部門特有の課題を認識
- 組織の文脈理解
- 部門ごとの目標を認識
- 組織全体の方向性との整合
- 部門間の相互依存関係の把握
- 解決策の共創
- 全体最適の視点で考える
- 各部門のメリットを考慮
- 実現可能な方法を模索
■ 実践的なアプローチ
1. 理解のためのテクニック
私が実践している具体的な方法をご紹介します:
- プロセスマッピング
- 「その業務の具体的な流れを教えていただけますか?」
- 「どの部分が最も時間がかかりますか?」
- 「改善の余地はどこにありそうですか?」
- 制約条件の明確化
- 各部門の重要な制約を列挙
- 優先順位の確認
- 変更可能な範囲の特定
- 全体最適の視点
- 部門横断的な影響の確認
- 長期的な効果の検討
- 実現可能性の評価
2. 理解された上で提案する
各部門の状況を理解したら、次のステップとして:
- 各部門の制約を考慮した実行計画の提示
- 具体的な数値やデータに基づく提案
- 部門ごとのメリットを明確にした説明
■ 実践から得られた変化
この手法を実践することで、以下のような変化が生まれました:
- 部門間の協力体制の強化
- プロジェクト遂行の効率化
- 組織全体の一体感の醸成
- 結果として業績の向上
■ よくある課題と対処法
課題1:「各部門の調整に時間がかかりすぎる」
→ 対処:初期の関係構築に時間を使うことで、その後の調整時間は大幅に削減できます。
課題2:「部門間の利害対立への対応が難しい」
→ 対処:まずは各部門の立場を十分に理解し、全体最適の視点から解決策を探ります。
課題3:「全体最適と部門最適のバランスが取れない」
→ 対処:短期的な部門最適よりも、長期的な全体最適を重視する視点を共有します。
■ 明日から始める実践ステップ
- 1日目:業務プロセスの理解
- 関連部門の業務フローを確認
- 重要な制約条件をリストアップ
- 部門間の依存関係を整理
- 2-3日目:コミュニケーションの改善
- 定期的な情報共有の場の設定
- 部門間の課題の可視化
- 共通目標の設定と確認
- 4日目以降:協力体制の構築
- 全体最適を意識した提案
- 部門横断的なプロジェクト推進
- 定期的な振り返りと改善
■ 次回予告:シナジーの作り出し方
次回は「シナジーの作り出し方」というテーマで、海外事業での経験から学んだ、異なる文化や考え方を持つチーム間での協力体制の構築方法についてお伝えします。
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