こんにちは。SEA SIDE.代表のとしです。
「君には僕よりも才能がある。だから今、苦しいんだ」
24歳で店長に就任した頃、行き詰まっていた私に、ある先輩店長が投げかけてくれた言葉です。なぜこの一言が、そんなにも心に響いたのか。当時は分かりませんでした。
その後の10年間、私は言葉の持つ不思議な力について考え続けることになります。部下との対話、チームの士気、そして自分自身の心の状態まで、全てが「言葉の選び方」によって大きく変わっていくことに気づいたのです。
言葉は現実を創る
例えば、ある店舗改革の時のこと。最初は「売上が上がらない店舗」と表現していた状況を、「成長の機会がある店舗」と言い換えただけで、チームの空気が変わり始めました。
また、部下との面談でも同じです。「なぜできないんだ」という問いを、「どうしたらできるようになると思う?」と変えるだけで、対話は前向きなものに変わっていきました。
これらの経験から、私は言葉には3つの重要な力があることを学びました:
- 状況を定義する力:同じ現実でも、使う言葉によって全く違う意味を持ちます
- 行動を方向づける力:言葉の選び方が、次の行動を決定づけます
- 感情を生み出す力:言葉が、その人の感情状態を大きく左右します
では、具体的にどのように言葉を選べばいいのか。私の経験から、7つの重要なポイントをお伝えします。
1. 可能性を広げる言葉を選ぶ
「できない」「無理」といった言葉は、それだけで可能性を閉ざしてしまいます。代わりに「まだできていない」「これから学べる」という表現を使うことで、新しい道が開けてきます。
2. 主体性を引き出す言葉を選ぶ
「〜しなければならない」という表現は、しばしば抵抗を生みます。「〜したい」「〜を選択する」という言葉に変えることで、自発的な行動が生まれやすくなります。
3. 前向きな感情を育む言葉を選ぶ
「失敗」「ミス」といった否定的な表現を、「学び」「気づき」という成長につながる言葉に置き換えることで、チームの意欲は大きく変わります。
4. 具体的な言葉を選ぶ
「頑張る」「良くする」といった抽象的な表現ではなく、「売上を10%増やす」「3人の顧客と話す」など、具体的な言葉を使うことで、行動が明確になります。
5. 時間軸のある言葉を選ぶ
「いつか」「そのうち」では行動は生まれません。「今日」「今週中」という具体的な時間軸を持つ言葉を使うことで、実行力が高まります。
6. 関係性を育む言葉を選ぶ
「あなたが悪い」という批判から、「一緒に考えよう」という協力的な表現に変えることで、チームの結束力は強まります。
7. 成長を促す言葉を選ぶ
「だめだった」という評価ではなく、「次はここを改善しよう」という提案型の言葉を使うことで、継続的な成長が促されます。
成功事例:言葉が店舗を変えた
実際の店舗改革では、これらの言葉の力を意識的に活用しました。毎朝の朝礼で:
「この店舗は地域で一番利益を上げている店舗です」
「半年前の危機的状況から、皆さんの力で大きく成長しました」
「一人一人が確実に成長を続けています」
このような具体的で前向きな言葉を毎日共有することで、チームの意識は確実に変わっていきました。結果として、売上130%、利益200%という成果にもつながったのです。
言葉を変える3つのポイント
- 一貫性を保つ:選んだ言葉を継続的に使い続けること
- タイミングを見極める:相手の状態に合わせて適切なタイミングで使うこと
- 真実性を大切にする:心からの言葉でなければ、人の心は動かないこと
最後に:言葉の力を信じる
冒頭の「君には才能がある。だから今、苦しいんだ」という言葉。今なら分かります。より良い言葉を探し続けること自体が、成長への道のりだったのだと。
言葉は、使い方次第で毒にも薬にもなります。しかし、正しく選び、使うことができれば、必ず人生を良い方向に導いてくれるはずです。
次回は、この言葉の力を活かした「ミスやエラーの捉え方」について、具体的な方法をお伝えしていきます。
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