こんにちは。SEA SIDE.代表のとしです。
前回は現在の自己評価についてお話ししました。今日は、自己理解の重要な要素である「やりたくないことリスト」について、実践的な観点からお伝えしていきます。
■ 「YES」の裏にある「NO」の重要性
大手アパレル企業の本部で働いていた頃、私はあらゆる仕事を引き受けていました。新規プロジェクト、追加の業務、急な依頼…。自分の成長のためにと思って全てを引き受けて「NO」と言えない自分が、結果として仕事の質を下げ、自身の成長も妨げていたことに気づくまでに時間がかかりました。
■ 全てを引き受けることの罠
「何でもやります」「どんな仕事でも引き受けます」。一見、これは良い姿勢に思えます。実際、私もそう考えていました。しかし、この考えには大きな落とし穴があります。
全てを引き受けることで、本当に重要な仕事に集中できなくなります。私の場合、様々な業務を抱えすぎたことで、本来注力すべき業務がおろそかになっていました。
■ 境界線を引く重要性
変化のきっかけは、仕事のできる上司の言葉でした。「全てを引き受けることは、何も責任を持たないことと同じだ」。この言葉が、私の考え方を大きく変えることになります。
そこから、自分の中に明確な境界線を引く作業を始めました。具体的には、以下のような観点から「やりたくないこと」を明確にしていきました。
■ やりたくないことを特定する3つの基準
1. エネルギーの消費
ある業務をした後、極端に疲労を感じる、やる気が出ない、などの状態になる仕事。私の場合、細かな数値入力の作業がこれに該当しました。この作業は、可能な限り自動化やアウトソースの対象としました。
2. 成長機会の有無
時間を投資する価値のない、単純作業や繰り返しの業務。これらは、チームメンバーへの権限委譲や、システム化の対象としました。
3. 価値観との不一致
自分の価値観や信念と合わない仕事。例えば、短期的な利益のために品質を落とすような判断は、明確に「NO」を示すことにしました。
■ 「NO」を伝える実践的な方法
ただし、やりたくないことを特定できても、それを適切に伝えることは別のスキルです。私が実践している方法をお伝えします。
代替案の提示
単純な拒否ではなく、より良い方法を提案します。「この作業は○○さんの方が適任だと思います」「システム化することで、より効率的に進められます」といった具合です。
理由の説明
「NO」の背景にある理由を、建設的に説明します。「より重要な○○に集中したいため」「チームの成長のために権限委譲したい」など、相手も納得できる説明を心がけます。
■ やりたくないことリストの作り方
具体的な手順をご紹介します。
まず、一週間の業務を記録します。どの仕事にどれくらいのエネルギーを使ったか、終わった後の感情はどうだったか、を記録していきます。
次に、記録した業務を3つの基準(エネルギー消費、成長機会、価値観)で評価します。そこから、明確に「やりたくないこと」をリストアップしていきます。
最後に、それぞれの項目に対する対応策を考えます。委任できること、システム化できること、きっぱり断るべきことなど、具体的なアクションプランを立てます。
■ さいごに
「やりたくないことリスト」の作成は、単なる業務の整理ではありません。それは、自分の時間とエネルギーを、本当に大切なことに投資するための重要なツールなのです。
このシリーズの最終回として、皆さんも自分なりの「やりたくないことリスト」を作成してみてください。きっと、新しい可能性が見えてくるはずです。
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