こんにちは。SEA SIDE.代表のとしです。
24歳で店長に就任し、マネジメントの初心者だった私は「なぜ部下は言うことを聞いてくれないのか」と悩んでいました。店長として指示を出せば部下の行動は変わると、単純に考えていたのです。
結果、私は大きな失敗を経験することになります。30人規模の店舗で、代行の権限を与えていた部下から全く信頼されず、部下たちは疲弊して店舗がボロボロになりました。「仕事ができない部下が悪い」と思っていた私でしたが、実は最大の問題は自分自身の理解不足にありました。
人は「指示」だけでは動かない
その頃の私は、「なぜできないんだ」「言った通りにやれ」という言葉を頻繁に使っていました。スタッフの表情は暗く、モチベーションは日に日に低下していきます。
転機となったのは、ある先輩店長からの一言でした。「人間には3つの機能がある。感情と思考と行動だ。この3つが揃わないと、本当の変化は生まれない」
- 感情(Emotion):喜び、怒り、不安、期待など
- 思考(Thought):判断、分析、意思決定など
- 行動(Action):実際の行動、態度、表情など
最初の気づき:感情を無視した失敗
典型的な例が新人スタッフへの対応でした。手順書を渡して「これ通りにやれ」と指示。できないと「なぜできない」と詰問。当然、スタッフは萎縮し、さらにミスが増える。私はその時、大切な要素を見落としていました。
人は不安や恐れを感じているとき、頭では理解していても行動に移せないのです。逆に、安心感があり、やる気を感じているときは、多少難しい課題でも積極的にチャレンジできます。
変化のきっかけ:新しいアプローチ
この気づきから、私はアプローチを大きく変えることにしました。まず、毎朝一番に出勤し、スタッフ一人一人と短い会話の時間を作りました。その日の体調や気分を聞き、小さな成功を認め、不安があれば一緒に解決策を考えます。
特に意識したのは以下の3つのポイントです:
- 感情面:不安や期待を丁寧に聞き取る
- 思考面:一緒に解決策を考え、成功イメージを共有
- 行動面:具体的で実行可能な小さなステップを提案
具体的な変化:チーム全体の成長
最初は時間がかかり、正直面倒だとも感じました。しかし、1ヶ月も続けると、驚くべき変化が現れ始めたのです。
スタッフの表情が明るくなり、自主的な改善提案が増えました。「ここをこう変えたらもっと良くなるかもしれません」「新しい取り組みを考えてみました」という声が、日常的に聞かれるようになったのです。
成功の本質:共感と成長の循環
振り返ってみると、この成功には明確なパターンがありました。スタッフの感情に寄り添い(感情)、共に考え(思考)、具体的な行動をサポートする(行動)。この3つが揃ったとき、人は自然と成長し始めるのです。
結果として、チームは大きく成長しました:
- 売上は前年比120%を達成
- 部下のスキルアップ
- 社内評価で地区1位を獲得
しかし、これ以上に価値があったのは、チームメンバー一人一人が「自分も成長できる」という確信を持ち始めたことでした。
最後に:若手マネージャーへのメッセージ
人を動かそうとするとき、ついつい「指示」や「命令」に頼りがちです。しかし、本当に大切なのは、その人の感情を理解し、共に考え、行動をサポートすること。
これは遠回りに見えて、実は最も確実な方法なのです。皆さんも、ぜひこの「3つの機能」を意識したマネジメントを試してみてください。
次回は、この3つの機能を活用した「五感を使ったアファメーション作成」について、具体的な方法をお伝えしていきます。
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