こんにちは。SEA SIDE.代表のとしです。
今日は、自己変革の土台となる「脳の三層構造」について、私の経験と科学的な知見を交えながらお話しさせていただきます。
「なぜ分かっているのに行動できないのか」「なぜ感情的になってしまうのか」「なぜストレス状況で思考が止まるのか」―私たちは日常的にこのような経験をしています。実は、これらの現象はすべて脳の構造と密接に関係しているのです。
私たち人間の脳は、長い進化の過程で形成された三層構造を持っています。最も原始的な「爬虫類脳」、感情を司る「大脳辺縁系」、そして高度な思考を可能にする「新皮質」です。この三層構造を理解することで、私たちの行動や感情のメカニズムが明確になってきます。
■ 爬虫類脳
最も深層にある爬虫類脳について説明させていただきます。この部分は生存に関わる本能的な反応を司っており、呼吸や心拍といった基本的な生命維持機能を制御しています。特筆すべきは、その反応速度の速さです。わずか0.1秒で反応を示し、危機対応時の「戦うか逃げるか」という判断を瞬時に行います。
大手アパレル企業で店長を務めていた時、予期せぬクレーム対応の際に、この爬虫類脳の働きを強く実感しました。突然の事態に直面した時、思考が止まり、体が硬直してしまう―これは爬虫類脳が危機を感知し、即座に反応している状態だったのです。
■ 大脳辺縁系
次に、中間層の大脳辺縁系についてお話しします。この領域は「感情脳」とも呼ばれ、感情や記憶、そして報酬系のコントロールを担っています。約0.3秒という比較的早い段階で反応を示し、私たちの直感的な判断や人間関係での反応に大きな影響を与えています。
チームマネジメントにおいて、この感情脳の働きは非常に重要です。スタッフとの信頼関係構築や、モチベーション管理において、論理だけでなく感情的な要素に配慮することで、より効果的なリーダーシップを発揮できることを学びました。
■ 新皮質
そして最後に、最も外側に位置する新皮質です。ここは私たちの論理的思考や創造的な問題解決を可能にする領域です。処理に1秒以上かかりますが、計画的な思考や新しい行動パターンの形成を担っています。
本部での経験で、大規模なプロジェクトを成功に導けたのは、この新皮質の機能を最大限に活用できたからだと考えています。ただし、注意が必要なのは、ストレス状況下では下位の脳が優位になり、せっかくの思考能力が十分に発揮できなくなるということです。
■ 自己変革と三層構造
この三層構造の理解は、自己変革において非常に重要な意味を持ちます。例えば、新しい習慣を形成する際には、まず爬虫類脳が「安全」と認識できる環境を整え、感情脳にポジティブな経験を蓄積させ、その上で新皮質による計画的な行動設計を行うという順序が効果的です。
■ 実践方法
今日学んだ内容を実践に移すために、まずは日常生活での自分の反応パターンを観察してみましょう。ストレス時の行動、感情の変化、思考のプロセスを意識的に記録することで、自己理解が深まり、より効果的な行動変容が可能になります。
次回は、左脳と右脳の特性について、さらに詳しくお話ししていきます。皆さんの「気づき」の種になれば幸いです。
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